照射物質と生成RIの分離について

照射物質と生成RIの分離には種々の化学的手法がが用いられる。例として、65Cu(p,n)65Zn 反応による 65Zn トレーサーの製造を考える。荷電粒子反応で照射物質が発熱することや標的核の密度が大きいことから、照射物質は金属銅が望ましい。照射物質が 固体の場合には、酸やアルカリ水溶液に溶解して分離を行うことが多い。金属銅は硝酸のような酸化力のある酸で溶解する。水溶液から銅と亜鉛の分離にはいくつかの方法が考えられる。 酸性では硫化物イオンとの反応で CuS が沈殿するが ZnS は沈殿しないことを利用し、CuS を沈殿として分離する沈殿法がある。一般に無担体のRIは、溶液中で溶解度積に達して 沈殿を生成することはまずない。銅イオンの方が還元されやすいため電気分解法では銅を陰極に選択的に析出させることができる。また、亜鉛の方がクロロ錯体を形成しやすいことを 利用して陰イオン交換樹脂を使って亜鉛を捕集するのも1つの方法である。さらに錯形成能の違いを利用して分離する方法に溶媒抽出法がある。オキシン(8-オキシキノリノール)が pH3 までは銅と錯体を形成するが、亜鉛とは形成しないことを利用してクロロホルムのような溶媒に抽出して分離することができる。

また下記のサイトに私がまとめた資料を示しております。

第1種放射線取扱主任者まとめ集

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