過去問と解説を日々更新していきたいと思います。

下記のサイトに私がまとめた資料を示しております。

https://www.radiologist-study.org

下の解説は一部なのでまとめたものが欲しい方は上記サイトまで。

体外・体内計測法

放射性核種による人の汚染は、身体内部に取り込まれた汚染と体表面汚染に分類される。身体内部に取り込まれた放射性核種を測定・評価する方法として① 体外計測法② 排泄物等に含まれている放射性核種から評価するバイオアッセイ法、③ 空気中や水中の放射性物質の濃度と呼吸・摂取量から評価する方法がある。 一般にγ線放出核種の測定には体外計測法が用いられ、α線放出核種ではバイオアッセイ法が用いられる。

体外計測法

体外計測法としては、ホールボディカウンタや肺モニタなどがある。ホールボディカウンタには極微量の放射能を精度よく測ることを目的とした精密型ホールボディカウンタと、体内汚染の簡単な検出を主な目的とした簡易型ホールボディカウンタとがある。精密型ホールボディカウンタは一般に遮蔽室と検出器からなり、検出器としては近年はGe検出器が利用されるようになっている。Ge検出器 は優れたエネルギー分解能により放射性核種の同定が容易であるという利点がある反面、冷却が必要である。簡易型ホールボディカウンタは簡易な遮蔽を施した椅子あるいは寝台と、検出器として一般に鉛遮蔽付NaI(Tl)シンチレーション検出器を使用した装置で、原子力発電所などで使われている。肺モニタは主に 体内に残留した239Puから放出されるX線や241Amから放出されるγ線を体外から測定するための装置である。なお、肺モニタで主に測定される放射線のエネルギーの比較としては、239Puから放出されるX線のエネルギーは241Amから放出される γ線のエネルギーに比べて低い。

体外計測法やバイオアッセイにより、体内に残留している放射能量や排泄物等の放射能量を測定すれば内部汚染に伴う被ばく線量を評価することができる。評価にあたっては、測定された放射能量から放射性核種を摂取した時点での体内量を推定する必要がある。体外計測法の場合は測定値を放射線検出器の計数効率で除して、測定時における体内放射能量を推定する。摂取量は摂取量 = 体内放射能量 ÷ 残留率 により推定する。バイオアッセイ法では、主に尿や便などに含まれる放射能量から1日当たりの排泄量を評価し、摂取量は、摂取量 = 1日当たりの排泄量 ÷ 排泄率により推定する。通常内部被ばくによる預託実効線量は、摂取量に線量係数(mSV/Bq)を乗じて評価される。

空気中の放射能測定のための試料採取では、放射性物質の化学形、性状、濃度に応じて、様々な捕集方法が適用されている。例えば、133Xeのような放射性希ガスの直接補修ではガス捕集用電離箱がしばしば用いられる。水蒸気として存在する 3H の捕集では、直接捕集の他に、シリカゲルによる固体捕集、水バブラーによる 液体捕集、コールドトラップによる冷却凝縮捕集も利用される。また、同様に気体として存在する 131I の固体捕集では活性炭カートリッジがより有効である。これに対して 60Co などのラジオアイソトープ(RI)が浮遊粒子として存在する場合にはダストサンプルを用いて試料を採取することができる。 このように捕集されたRIを定量した上で、一般に捕集されたRIを定量した上で、一般に捕集装置への吸引平均流量、捕集効率及び捕集時間の値からRIの空気中濃度を算出する。空気中に放射性物質が存在する場合には、吸入による内部被ばくが問題となる。内部被ばくの影響を考える場合には壊変様式や線質などの物理的性質を知っておく必要がある。133Xe、131I、 3H、60Coは全てβ-壊変するが、 3H 以外はγ線も放出する。また、化学的性質も重要である。特に 131I は実験環境中で多様な化学形をとりえるので、取り扱いに注意を要する。I2 は特に揮発しやすい化学形である。飛散を防ぐために、水溶液系では酸性となることを避けるなどの工夫が行われる。なお、壊変によって 1% の 131I は放射性の 131mXe となるので、これの挙動にも注意を要する。空気中に存在する放射性物質を吸入してそれらによる被ばくが問題となる場合には、吸入した放射性物質を除去するための処置を速やかに行うことを考慮する。133Xe の体内からの除去には清浄な空気での呼吸が有効である。131I を吸入した場合の体内汚染の除去には吸入後速やかに ヨウ化カリウムを投与することである。水蒸気として存在する 3H を吸入した場合の体内汚染の除去には飲水を行い、利尿剤を投与することが有効である。粒子として浮遊している 60Co を吸入した場合の体内汚染の除去にはD – ペニシラミンを投与することが有効である。物理的性状により臓器親和性が決まるものとして コロイドがあげられる。コロイド状の鉄や金が細網内皮系細胞に取り込まれることが知られている。

お名前.com

勉強に疲れたらこれでリラックス



コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です