放射化学分離について

短半減期の放射性核種の分離では操作時間の短縮が求められる場合がある。例えば、半減期 25 分の 128I の分離について考える。分離法1 では化学収率が 80% で 50 分を要する。これに対して分離法2 の化学収率が 40% とする。分離法2 の所要時間が 25 分だとすると化学分離後の放射能は分離法1 と等しくなる。(半減期 25 分の 128I では、50 分の経過で放射能は 1/4 となる。分離法1 では収率が 80% であるので、化学分離後の 放射能は当初の放射能の 0.25 × 0.8 = 0.2 となる。分離法2 の所要時間を半減期の x 倍とおくと分離法2 では収率が 40% であるから (1/2)^x × 0.4 = 0.2 x = 1 となり、半減期 25 分であるので 25 となる。)放射化学分離では、放射性核種の 化学的状態を変化させて別の相とし、相分離で目的成分を得ることがしばしば行われる。沈殿分離法がその典型である。この場合、目的核種と沈殿を形成する試薬を添加することで水に難容な個体沈殿を形成し、これにろ過や遠心分離 などで固体と液体に分離して放射性核種を回収する。沈殿分離法と類似した方法に共沈分離法がある。沈殿生成に伴って溶液中の放射性核種を沈殿に取り込み、水溶液から分離する。鉛、スズ及びアンチモンの放射性核種を塩酸酸性溶液から同時に共沈する CuS がある。また (32PO4)3- と (35SO4)2- の共存する水溶液から (32PO4)2- のみが共沈する Fe(OH)3 も知られている。

また下記のサイトに私がまとめた資料を示しております。

第1種放射線取扱主任者まとめ集

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