放射性核種について
32P を使用する場合、遮蔽材にアクリル樹脂を用いて制動放射線の発生を避ける。被ばくする手指のモニタリングにはリングバッジが適している。32P の取り扱いで汚染が発生した場合、その位置の特定にはGM管式サーベイメータが用いられる。さらにスミア法で非固着性汚染の広がりを調べ、除染の方法を検討する。スミアろ紙を水に浸して液体シンチレーションカウンタで チェレンコフ光を計測することで 32P のみを測定することも可能である。14C,32P,35S の内2核種を同時に利用した際のスミア試料の測定に液体シンチレーションを使用した場合、 14C と 35S を区別して定量することは困難である。これは両者のβ線の最大エネルギーが近いためである。14C 及び 32P それぞれ 1 MBq を含む可能性がある洗浄液を排水することとなった。放射性同位元素の排液中又は排水中の濃度限度は 14C は 2.0 × 10^0 Bq/cm3、32P は 3.0 × 10^(-1) Bq/cm3 である。この施設には排水設備として 10 cm3 の貯留槽2基と 10 m2 の希釈槽1基が設けられている。1つの貯留槽から排水する場合、排液量が少なくとも 3.9 m3 以上ならば希釈しないで排水が可能である。同様に、排液の量が少なくとも 2.2 m3 以上ならば、2週間経過すれば希釈しないで排液が可能である。また希釈槽が必要な場合は、貯留槽中の 14C が 20 MBq を越える場合に限られる。使用核種の変更や追加が作業内容の進展により必要となることがある。それに対応した測定技術や管理技術の適用が求められる。例えば、使用核種を 32P から 33P に変更した場合、放射線の最大エネルギーが異なるため、イメージングプレート像の高解像度化が可能となる。この場合には、これまでと同じサーベイメータを使用して汚染箇所の特定や除染に対応することができる。 しかし、ラジオイムノアッセイに有用で主に、X線・低エネルギーγ線を放出する 125I を追加した場合、低エネルギーγ線用 NaI(Tl)シンチレーション式サーベイメータを追加して、汚染箇所の特定や除染に対応することが望まれる。
また下記のサイトに私がまとめた資料を示しております。