発熱・吸熱反応
質量数 a 、運動エネルギー E の入射粒子ち質量数 A の静止した標的核が衝突を起こし、一体となって複合核を形成した後何らかの粒子を放出してある原子核に壊変する場合を考える衝突の粒子や原子核の質量差をエネルギーに換算したものは反応エネルギーあるいは Q 値と呼ばれる。Q 値が正の場合発熱反応といい、負の場合を吸熱反応という。吸熱反応の場合には、 入射粒子のエネルギーが Q 値の絶対値を絶えないと反応は起こらない。核反応が起こるためにの入射粒子の最小エネルギー Emin をしきいエネルギーという。ここで複合核の概念を用いて最小エネルギー Emin を求めてみる。複合核の概念を用いて最小エネルギー Emin を求めてみる。複合核の運動エネルギー Ec は、運動量保存則を用いて、Ec = (a×E)/(a+A) となる。Emin は反応の Q 値の絶対値と複合核の運動エネルギーの和に等しくなる 入射粒子のエネルギーに相当するから Emin = (a+A)/A |Q| となる。ここで、27Al(n,α)24Na の核反応を考える。標的核は静止しているとすると、反応の Q 値は -3.13 MeV となり吸熱反応である。
解き方
Q = -B(Al) + B(α) + B(Na) = [M(Al) + M(n) – [M(α) + M(Na)]]c^2 = [BM(p)c^2 + 14M(n)c^2 – B(Al)] + M(n)c^2 – [2M(p)c^2 + 2M(n)c^2 – B(α)] + [11M(p)c^2 + 13M(n)c^2 – B(Na)] から求めることができる。
このとき反応を起こすために必要な入射粒子である中性子の最小エネルギーは 3.25 MeV である。27Al , 4He , 24Na の結合エネルギーをそれぞれ 224.9520 MeV, 28.2957 MeV, 193.5235 MeV とする。求め方 反応を起こすために必要な最小エネルギー(しきいエネルギー)は上式より
(1+27)/27 × 3.1328 = 3.249 となる。
また下記のサイトに私がまとめた資料を示しております。