RIの分離 直接希釈法 逆希釈法 二重希釈法

RIの分離

主な分離方法を下図に示す。

ホットアトム法

ホットアトム法 = 反跳原子法 = ジラーズ・チャルマーズ法 と呼ばれ、中性子照射によってターゲットが放射化した時、娘核種から放出される放射線の反跳エネルギーによって、結合が切れて、液体又は気体中に遊離する現象を利用する。C2H5Iに熱中性子 を照射すると C2H5I(128) が発生する。128I からのγ線によって、結合が切れて 128I が溶液中に移動する。

例題1

ヨウ化エチルを中性子照射したのち、水を加えて振とうすると放射性ヨウ素は水相中に移るか?

解答

この反応は 127I(n,γ)128I 反応のγ線の反跳エネルギーによって C2H5-I の結合が切られるため水相に高比放射能の 128I が移行する。

例題2

安息香酸と炭酸ナトリウムを混合して中性子照射すると、トリチウムで標識された安息香酸が得られるか?

解答

有機化合物に炭酸リチウムまたは 3He を混合して中性子照射することにより、6Li(n,α)3H または、3He(n,p)3H で生成する。ホットアトムの 3H によって有機化合物を標識する。これを反跳合成法という。

例題3

クロム酸カリウムを中性子照射したのち、水に溶解し、陽イオン交換樹脂カラムに流すと (51Cr)3+ が樹脂に捕集されるか?

解答

反跳エネルギーにより、 (CrO4)- イオン中の結合が切られるため (51Cr)3+ イオンが生成する。これを利用して高比放射能の 51Cr が(n,γ)反応によって作られる。

直接希釈法

同位体希釈分析法の基本形で RI によって定量分析をする手法である。定量する資料の重量 X、添加する同じ化学形の RI の重量 a、比放射能 S0 とすると次式の関係が成り立つ。S(a+X) = S0a

逆希釈法

放射性化合物を定量するのに非放射性化合物を用いる希釈分析法で、定量する放射性物質の重量 X、比放射能 S0、加える非放射性物質の重量 a、加えた後の比放射能 S とすると、S0X = S(X+a) という式が成り立つ。

二重希釈法

比放射能の分からない放射性物質の定量に使用する。放射性試料 X を2等分し、非放射性化合物 a1、a2 をそれぞれに加え、混合後、一部を取り、その放射能 S1、S2 を求める。求める放射性物質の重量 X は次式となる。X = [(S2a2-S1a1)/(S1-S2)]

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放射線加速器

線形加速器

線形加速器は直線状に並べられた多数の電極に粒子の速度に合わせた高周波の高電圧を印加することによって加速する。

コッククロフト・ワルトン加速器

コンデンサーと整流器を組み合わせた倍圧整流回路を利用して、コンデンサーに高電圧を貯めて、コンデンサーから加速管に高電圧を印加する事で荷電粒子を加速する。
直流高電圧、静電場を使っているため、イオン・電子共に加速可能である。

バン・デ・グラーフ型加速器

超高圧タンク内に絶縁ベルトを回転させ、電荷を帯電球に貯めて、超高電圧を抵抗によって分圧し、加速管に電圧を加えて加速する。帯電球に電荷が貯まると、ベルト上の電荷と 斥力が作用し、ベルトの回転数が低下したり放電を発生する。超高圧ガスはは放電防止用窒素ガスである。
直流高電圧、静電場を使っているため、イオン・電子共に加速可能である。

ベータトロン

ベータトロンは交流励磁によって作られる磁界により、電子に一定の円運動させ、その磁場により生じる電場で電子を加速する。交流電場で行い、電子だけを加速させる。 また磁場の変化で誘起される電場で加速される。

マイクロトロン

一様な直線磁界で円軌道上を回転させ、マグネトロン又はクライストロンに夜3000MHzのマイクロ波の電場で電子を加速する。電子エネルギーが増大すると回転半径も大きくなる。

サイクロトロン

D電極の上下に磁石を設置し、D電極に+、ーの高周波を掛けると、荷電粒子は回転運動を始め、ギャップで加速され、回転半径は大きくなり、ビームとして取り出される。D電極上下の磁界は直流磁界(直流電磁石)で 高周波は一定周波数を用いギャップ間で加速する。高周波静磁場を用いてイオンのみを加速させる。現在は粒子線治療とPET薬剤生成加速器に用いられる。

シンクロトロン

シンクロトロンは増大する磁場を用いて荷電粒子を偏向電磁石で曲げて行う事で一定軌道に回転させ、その途中に高周波を掛けて加速する装置である。また電子軌道を収束電磁石で強制的に変える事で X線が発生する。シンクロトロンは電子とイオンの両方加速可能である。磁場は加速に伴って変化する。

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無機シンチレータ・有機シンチレータ

シンチレーション検出器について

シンチレーション検出器は蛍光を発するシンチレータとその蛍光を電気信号に変換する光センサなどから構成されている。シンチレータは NaI(Tl)、BGO などの無機シンチレータとプラスチックシンチレータ、液体シンチレータなどの有機シンチレータに大別されるが、シンチレータの種類により発行メカニズムは同一ではない。NaI(Tl)シンチレータの場合は、ヨウ化ナトリウム結晶に少量のタリウムが添加されている。放射線による電離で生じた自由電子、 正孔、及びこれらの対である励起子がこの結晶中を移動する。タリウムの添加により結晶の禁止帯領域に生成されたエネルギー準位に、移動中の電子等が捕獲され、タリウム原子が励起される。この励起状態が再び基底状態に戻るとき、主として可視光に相当する波長域の蛍光が放出される。 この不純物として添加されたタリウムは活性炭物質として呼ばれ、シンチレータ中に分布して蛍光中心を形成する。

絶縁物の結晶中の電子は、価電子帯と呼ばれる格子状の位置に束縛されている。放射線によってエネルギーが与えられると、電子は禁止帯(このエネルギー状態に電子は存在できない)を飛び越え、伝導帯に移って自由電子として動き回る。一方価電子帯に規則正しく並んでいた電子には空席ができ正孔と呼ばれる。正孔は周辺の電子が次々と移動して埋めるので、自由電子と同様に移動する。 自由電子と正孔は独立して動き回ることもあるが、一部は互いにゆるく結合し励起子として移動する。価電子帯に生じた正孔は活性化物質を電離し、伝導帯の電子は電離した活性化物質にとらえられ、励起状態を形成するが、時間とともに基底状態に遷移して可視光を放出する。このような遷移生じる場所を発光中心という。シンチレータの発光の 減衰時間は、この励起状態の寿命によって決まる。

無機シンチレータ・有機シンチレータ

無機シンチレータの多くは、シンチレータの原子番号が比較的高く密度も高いことから、γ線の線量測定やエネルギー測定に使用する検出器に適している。無機シンチレータに分類される ZnS(Ag)シンチレータは通常α線の検出に用いられるが、多結晶のためエネルギースペクトルの測定に適さない。(ZnS(Ag)は多結晶 のため透明度が低く薄い膜状の検出器が用いられるため、飛程よりも厚い検出器が必要なエネルギー測定には適さない。)有機シンチレータのうちプラスチックシンチレータは主としてβ線、中性子線などの測定に用いられる。また原子番号が低く光電ピークの検出には適さないが、大容量のシンチレータが作成可能なためγ線ゲートモニタなどにも用いられる。液体シンチレータは放射性物質をシンチレータに直接混合して測定 できるためその放射性物質からの放射線について検出効率が高い。また放射線の自己吸収を小さくできることから、トリチウムのような低エネルギー純β線放出核種やα線放出核種の放射線管理測定に極めて有効である。さらに、液体シンチレータやプラスチックシンチレータは水素原子を多く含むことからその原子核の反跳により生じる 陽子に着目して速中性子の測定に用いられる。(水素は高速中性子と弾性散乱を起こし、その結果生じる反跳陽子が発光する。)

放射線によりシンチレータで生じた蛍光は、光電子増倍管や光ダイオードのような光センサを用い電気信号に変換して計測される。この発光量は極めて微弱であるが、光電子増倍管では、シンチレーション発光を光電陰極において光電子に変え、これを多段のダイオードで増幅することにより、光電子の数を 10^4 ~ 10^7 倍に増やすことができる。NaI(Tl)シンチレーション発光の 平均波長は約4.1 × 10^(-7) m である。このシンチレーション光のエネルギーは約 3 eV である。このため、1 MeV の光子がシンチレータに全エネルギーを与える場合、集光過程における光の損失を無視し、またシンチレータの発光効率を 12%、光電陰極の量子効率を 10%、電子増倍管を 10^4 とすると、陽極における総電荷は (1.0×10^6×0.12)/3 = 4.0 × 10^4 個。量子効率 10% より 陽極に集められる電子数は 4.0 × 10^4 × 0.1 × 10^4 = 4.0 × 10^7 個。したがって電荷は 4.0 × 10^7 × 1.6 × 10^(-19) = 6.4 × 10^(-12) Cとなる。さらに光電子増倍管の陽極の静電容量を 10pF とすると、陽極に生じるパルスの最大電圧は Q = CV より、V = Q/C = (6.4 × 10^(-12))/(1.0 × 10^(-11)) = 6.4 × 10^(-1) Vとなる。

補足 有機シンチレータであるトルエン、キシレンの発行波長は最大 290 nm 程度である。また発光効率は無機シンチレータは 10 % 以下に対して、有機シンチレータは 5 % 未満のものが多い。

シンチレータ

シンチレータは放射線との相互作用により蛍光を発するため種々の放射線パルス測定に用いられている。シンチレータを大別すると、無機シンチレータと有機シンチレータに分類される。無機シンチレータには活性化物質を添加したハロゲン化アルカリの結晶、添加物を加えない BGO の結晶などが挙げられる。一般に実効原子番号の比較的大きいシンチレータが得られるため、 γ線の測定に有効である。一方、有機シンチレータにはプラスチックシンチレータ、液体シンチレータなどが挙げられる。これらの発光の減衰時間は通常数ナノ秒程度であり、NaI(Tl)シンチレータと比べると一桁以上短い。また水素を多く含むため速中性子検出においても有用である。 シンチレータから放出される光は極めて微弱であるため光電子増倍管などを用いた測定器が必要となる。光電子増倍管ではK2CsSb などを用いた光電陰極により光子を電子変換した後、多段のダイオードにより増倍し、アノードから電気信号を取り出す。ダイノード間では静磁場 により電子が加速される光電陰極は熱電子の放出による偶発的なノイズの発生源となる。また、外部の磁場が大きい場合には影響を避けるため、ミューメタルなどを用いた遮蔽が必要となる。光電子増倍管を用いる方法のほか、フォトダイオードなどで光子を電気信号に直接変換した後、電子回路により増幅する方法も用いられる。個の フォトダイオードは光電子増倍管に比べて長波長側に感度が高いのでCsI(Tl)シンチレータと組み合わせて使用させることが多い。 Lu2SiO5(Ce)とLaBr3(Ce) のシンチレータには 176Lu,138La が含まれる。これらの放射性核種が放出するβ線、γ線が検出器自体のバックグラウンドとして測定を妨害する。

液体シンチレータについて

液体シンチレータには ① トルエン・シンチレータ(疎水性試料用)、② ジオキサン・シンチレータ(親水性試料用)、③ 乳化シンチレータ(親水性試料用)に分類できる。この乳化シンチレータは界面活性剤を加えたもので、分散系溶液のことをエマルションという。液体シンチレータは幾何学的効率はほぼ 100% でβ線スペクトルの測定に適している。また蛍光体および波長移行剤を必要とし放射性試料を溶解していることも必要条件 である。波長移行剤として、DMPOPOP、POPOP がある。

液体シンチレータには、① NaI などの無機結晶。② アントラセンなどの有機結晶およびポリエチレンにP-テルフェルニ(TP)などを混同したプラスチックシンチレータ。③ トルエンやキシレン等の有機溶媒中にジフェニルオキサゾール(PPO)などの有機新地テータがある。

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分裂死と間期死・ネクローシスとアポトーシス

分裂遅延

細胞は放射線照射されると、分裂頻度の低下や細胞周期の延長が見られ、分裂が遅延する。細胞周期のうち G2 期に留まることにより分裂遅延は起こっており、G2 ブロックと呼ばれる。

細胞死(分裂死と間期死)

細胞がある程度の放射線照射を受けると細胞死を起こす。照射された細胞では分裂停止はするが、代謝は継続されて巨細胞がみられる。細胞死は細胞周期の観点から分裂死と間期死に、細胞死の形態の観点からネクローシスとアポトーシスにそれぞれ分類される。

分裂死

分裂死は増殖死とも言われ、活発に細胞分裂している細胞が放射線照射を受けた後に数回の分裂を経てから死に至るものである。細胞分裂を停止しても DNA やタンパク質の合成は続けられており、このため巨細胞が形成されたり、 隣接した細胞同士で核の融合が起こることがある。分裂死は、骨髄や腸の幹細胞、腫瘍細胞、培養細胞など盛んに分裂している細胞で見られる。

間期死

間期死は、間期にある細胞が放射線照射を受けた後、分裂することなく死に至るものである。もはや細胞分裂を行わない神経細胞、筋細胞などの分化した細胞で間期死は見られ、 細胞分裂している細胞でも分裂死が起こる線量よりもさらに大きな線量が与えられると間期死が起こる。これらを低感受性間期死という。一方、リンパ球や卵母細胞などでは低線量の照射で間期死が見られ、これを高感受性間期死 として区別している。

ネクローシスとアポトーシス

ネクローシスは従来から考えられていた病理的で受動的な死である。一方、アポトーシスは生理的で能動的な死であり、損傷を受けた細胞が積極的に自己を排除するために起こると間会えられている。 このため、プログラム死と呼ばれることもある。リンパ球などで見られる高感受性間期死はアポトーシスである。

ネクローシスの形態学的変化

傷害を受けた細胞の受動的・病理的死で細胞の膨化・ミトコンドリアの変化が起こる。

アポトーシスの形態学的変化

能動的・生理的な細胞死で細胞の縮小・核濃縮・核の断片化・核内のクロマチンの凝縮・細胞の分断化・アポトーシス小体の形成。この他にもミトコンドリアの形態的変化、数の減少・紡錘体の大きさの減少・中心体の増加、マクロファージによる貪食などがある。

オートファジー(自己融解死)

細胞内で過剰にタンパク質が作られたり、異常となった場合に小胞を作り分解することをいい、この時に作られる小胞をオートファジー小胞、オートファゴソームという。

放射線による細胞死に関する記述

放射線による細胞死には様々な様式が存在する。主なものとしては、細胞が大きくなり細胞内容が流出することが特徴的な細胞死である壊死(ネクローシス)と、細胞が小さくなり核が凝縮するアポトーシスがあげられる。これらの細胞死では細胞死に伴い DNA は断片化されるが、断片化の形式は細胞死により異なる。壊死(ネクローシス)では断片化された DNA は電気泳動により観察するとスメア状となるが、アポトーシスでは 梯子状(はしご)となる。放射線生物学においては放射線照射後の細胞生存率を定量する場合に、上に述べたような一般的な細胞死の他に細胞増殖能を喪失を “細胞死” として取り扱う。この様式の “細胞死” としては、代謝を保ちながら細胞の分裂が不可逆的に停止し細胞増殖能を形成する老化(セネッセンス)があげられる。

 

補足

DNA 損傷等の障害が何もなくとも、細胞が分裂できる回数には限界があることが知られており、限界に達して細胞分裂を失った状態はセネッセンス(細胞老化)と呼ばれる。

 

Ⅰ で述べた放射線生物学における細胞死の概念を踏まえ、放射線照射後の細胞生存率を定量する手法としてコロニー形成法が一般に用いられる。コロニー形成法では、細胞を単一細胞に分離して細胞培養皿に播種し、一定期間培養した後に生じるコロニー数を計数する。通常、細胞を播種した後 7 ~ 21 日程度してから 50 個以上の細胞からなるコロニー数を計数する。計数したコロニー数を播種した 細胞数で除した値をコロニー形成率という。放射線照射後の細胞生存率は、放射線を照射した細胞のコロニー形成率を、照射してない細胞のコロニー形成率で除した割合で表す。コロニー形成法により得られた細胞生存率から細胞生存率曲線を描くが、通常、細胞生存率曲線は縦軸に生存率を対数目盛で示し、横軸に吸収線量を線形目盛で示す。

 

解説

分裂する細胞の細胞生存率の定量には、コロニー形成法を用いる。50 個程度以上の細胞からなる肉眼で観察可能なコロニーを計数する。コロニー形成率は、非照射(コントロール群)においても播いた細胞がすべてコロニーを作る訳ではないので、照射群と非照射群のコロニー形成率の比から求める。。

 

放射線照射後の細胞生存率は、照射条件あるいは培養条件によって変化する。培養細胞に低 LET 放射線を照射した場合、総吸収線量が同一であるならば 1 回で照射したときと比較して、2 回に分けて時間間隔をおいて照射したときに細胞生存率は高くなる。この現象は亜致死損傷回復によると考えられている。低 LET 放射線では、特別な場合を除けば吸収線量が同じであれば線量率が低くなると生物効果は小さくなる。また、培養細胞に 低 LET 放射線を照射した後の培養条件によって細胞の生存率の上昇が見られることがある。これは潜在的致死損傷回復によると考えられている。

 

補足

亜致死損傷(SLD)回復は、標的説に基づき定義され、線量率効果の機構の説明に用いられる。また、潜在的致死損傷(PLD)回復は、プラトー期や低栄養などの細胞の生育条件が悪い時に見られる減少として知られている。

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放射性同位元素分離法(共沈法)

放射性同位元素分離法(共沈法)

共沈法・・・担体を用いて微量なRI分離を行う。
① 保持担体・・・目的RIを母液に留めさせるために加える担体。母液内の目的RIが吸着。沈殿しないように加える。
② 捕集剤・・・目的RIを無担体分離する時、沈殿、吸着させるために加える。
③ 清掃剤・・・目的以外のRIを除去する目的で不要RIを沈殿、吸着によって除去するために加える担体
90Sr – 90Y の共沈法を下図に示す。

蒸留法

蒸留法とは色々な成分が混じっている溶液を加熱するとき、出てくる蒸気の組成は、元の溶液の組成とは異なり、揮発成分が多く含まれる。この現象を利用して液体混合物から各成分を分離する操作をいう。表の一覧を示す。

元素 蒸留する化合物 操作条件
As AsH3,AsCl3,AsBr3 発生期のH2で還元(AsH3),HCl+H2SO4,HBr+H2SO4
B B(OCH3) H2SO4+CH3OHで加熱
Br Br2 K2CrO4+H2SO4で加熱
Cr CrO2Cl4 HCl+HClO4で加熱
F H2SiF4 SiO2+H2SO4で加熱
Ge GeCl4 HCl+HNO3+HClO4で加熱
HG Hg,HgCl2 還元加熱でHg,HCl+H2SO4で加熱
S H2S,SO2 硫化物+HClで加熱(H2S),燃焼でSO2
Sb SbCl3,SbBr3 HCl+H3PO4,HBr+H2SO4で加熱
Si SiF4 HF+H2SO4で加熱
Se SeBr4,SeO2 HBr+H2SO4で加熱,HNO3+H2SO4で加熱
Sn SnCl4,SnBr4 HCl+HClO4で加熱,HBr+HClO4で加熱

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フルエンス、エネルギーフルエンス

フルエンス、エネルギーフルエンス

正式には粒子フルエンスという。球の中心を通る断面積daの球に入る粒子数をdNとするとき、φ = dN/dt を粒子フルエンスという。単位はm^(-2)。粒子の代わりにエネルギーを入れるとエネルギーフルエンスとなる。

粒子フルエンス[個/m2]・・・単位面積を通過する粒子数

フルエンス率・・・単位時間当たりの粒子フルエンス

エネルギーフルエンス[J/m2]・・・単位時間通過する放射線のエネルギー量

エネルギーフルエンス率・・・単位時間当たりのエネルギーフルエンス

線エネルギー付与(LET)

放射線が物質中をdl通過した時物質に局所的に与えられたエネルギーをdEとすると、L = -(dE/dl)を線エネルギー付与という。線エネルギー付与は単位長さ当たりのエネルギー損失を示す。

核反応断面積

運動エネルギーをもつ粒子が原子核に進入する場合、粒子と原子核との相互作用が起こる確率を核反応断面積という。核反応断面積の単位は10^(-24) cm2をとり、これを1バーンという。

デルタ線

電離放射線が物質に入射して相互作用を起こす結果、衝突等で電離されてはじき出される電子を二次電子という。この二次電子が大きな運動エネルギーを持っていて、さらに別の電子を電離させる。 これを二次電離という。この二次電離をする能力をデルタ線という。具体的にはα線や電子などの荷電粒子の電離作用で生じる。

放射線のエネルギーと運動量

光子のエネルギーE = h・ν 運動量P = E/c = (h・ν)/c

粒子のエネルギーE = 1/2(mv2) 質量m = m0/[1-(v/c)2] 運動量P = mv = √2Em = c/λ λ = c/(mv)・・・これを物質波(ド・ブロイ波)という。

問題

電子の運動エネルギーが 1MeV の時、電子速度は光速度の何%になるか。

v = c√[1-(mc2/(E+mc2))^2] の式よりv = c√[1-(0.51/(1+0.51))^2] ≒ 0.94c したがって光速度の94%となる。この式は覚えておくと良い。

核力

陽子と陽子、中性子と中性子、陽子と中性子との間に働く力。

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サーベイメータでの放射線測定について

サーベイメータについて

この種の測定器の使用目的は二つに大別される。第一は周辺の場における線量率の測定を目的とするもので、多くの場合 1 cm 線量当量率(μSV/h)で目盛がつけられているが、空気吸収線量率(μGy/h)で目盛られたものももある。またスイッチ切り換えによりこれらの積算値を知ることができるようにしたものである。第二は放射性同位元素による表面汚染の測定を意識したもので、この場合 目盛は計数率(cps,又はcpm)とした場合が多く、窓面を測定対象に 5 mm 程度近づけた状態で測定を行い、この測定値から、検出器の窓面積、機器効率、線源効率を用いて使用者が放射能表面積密度を算出する。サーベイメータは使われる検出器の種類により分類されることが多い。電離箱式、GM管式、シンチレーション式が主であるが、その他に 検出器として比例計数管、Si半導体検出器なども用いられることがある。電離箱式サーベイメータは、γ線などの光子が主に電離箱の壁でコンプトン効果などの相互作用を起こし、その結果生じた高速電子の一部が電離箱の充填気体を電離させ、その際の電流を読み出すので、主に周辺の線量(率)の測定に用いられる。感度はそれほど良くないものの、エネルギー 特性が優れている。また、線量率依存性が少なく、加速器からの放射線のように極短時間に放射線がバースト状に到来する場合にも対応できる。電離箱は壁材における吸収線量率の測定に基づいているが、壁材がプラスチックのような低原子番号物質で作られている電離箱はほぼ空気吸収線量率を与える。この値から 1 cm 線量当量率を直読できるようにするには、この値に光子エネルギーの関数 として与えられている換算係数に乗じて 1 cm 線量当量率に換算した目盛とする必要がある。ICRPによる換算係数は空気カーマから 1 cm 線量当量への換算係数を光子エネルギーの関数として与えたものであるが、入射光子のエネルギーが 1.5 MeV 程度以下の場合には、空気カーマと 空気吸収線量との差異は少ないから、空気カーマと空気吸収線量に読み替えても問題ない。しかしながら、この換算係数は光子エネルギーに依存するので光子エネルギーによらず1 cm 線量当量率を直読できるようにするには、測定器の空気吸収線量率に対するレスポンスを 換算係数曲線の形に適合させる必要がある。この目的のために電離箱壁の材料や中心電極の材料を吟味することにより 1 cm 線量当量率に関するエネルギー特性を改善することができる。GM管式サーベイメータで光子を測定する場合、主に計数管の管壁における光子の相互作用の結果生じる高速電子による放電パルスを 測定している。この放電パルスは波高がほぼ一定で、エネルギー情報を持たないため、放射線の入射に関する個数情報しか得られない。レスポンスは主に計数管の管壁における光子との相互作用確率と発生した電子の飛程によって決定される。 1 cm 線量当量率測定を目的とする場合、そのエネルギー特性は電離箱式サーベイメータの場合と比較するとかなり悪い。 通常、構成は 137Cs 線源からの 662 keV γ線によって行われるが、これ以外のエネルギー、特に低エネルギー光子の測定や散乱光子を多く含む場の測定に関しては誤差が大きくなるので注意を要する。また検出器の方向によって指示値も変化する。すなわち方向特性はあまり良くない。さらに分解時間も長いため計数率特性も悪い。シンチレーション式 サーベイメータは、シンチレータとして NaI(Tl) や CsI(Tl) が使われるのが一般的であるが、これらは密度が高くシンチレータ全体が光子の有感領域となっているので、感度は良い。シンチレーション計数管の場合も、パルス計数率の測定が基本であるので、そのまま計数率を測定する方式では、エネルギー特性は著しく悪い。しかしながらパルス波高は入射光子のエネルギー情報を有するので これを利用してエネルギー特性を補償することは可能となり多くなった。

表面汚染の密度(放射能表面密度 Bq/cm2) As の求め方

As = (n-nb)/(εi × W × εs)

n:計数率
nb:バックグラウンド計数率
εi:β線またはα線に対する機器効率
W:検出器の有効窓面積
εs:表面汚染の線源効率

β線またはα線に対する機器効率は、標準線源に対して一定の機器学的条件で測定した時のα線またはβ線表面放出率に対するサーベイメータの正味の計数率の比として定義される。JIS Z 4329 2004 では 200keV を越えるβ線を対象とする測定器の場合には標準線源として 36Cl または 204Tl を用いることが決められている。特に指定のない限り 標準線源から 5 mm の位置に検出器表面を置いて正味計数率を測定し、その値から機器効率が決められる。

放射性表面汚染の線源効率とは、線源の中では単位時間当たりに放出される放射線粒子数に対する同じ放射線の表面放出率の比と定義される。線源効率に関して JIS Z 4504 2008 では最大エネルギーが 0.4 MeV 以上のβ線の場合は 0.5、α線又は最大エネルギーが 0.15 MeV 以上 0.4 MeV 未満のβ線の場合は 0.25 とすることが推奨されている。

JIS Z 4334 2005 で規定されるクラス1及びクラス2参照標準線源の放射能面積は 100 cm2 以上の平面状線源であるため、汚染が局所的な場合や不均一の場合には機器効率は正確ではなくなる。

放射線測定

大円の面積が da である球に入射する光子数が dN のとき、φ1 = dN/da をフルエンスという。これらの量 dN と光子エネルギーの積を dR とすると Ψ = dR/da をエネルギーフルエンスという。光子は物質との相互作用により電子に与えられた初期エネルギーの総和を dEtr とすると K2 = dEtr/dm はカーマであり、その単位は Gy である。 dEtr の一部は物質中で制動放射により系外へ逃れるが、その割合を g とすると、K1 = g × K2、K3 = (1-g)K2 はそれぞれ放射カーマ及び衝突カーマと呼ばれる。また、その物質のある領域に入射する電子のエネルギーとその領域内で生成された電子が持ち出すエネルギーが等しいとき電子平衡が成立するといい、この場合 dm に付与される平均エネルギー dε は (1-g) × dEtr に等しい ことから衝突カーマは D1 = dε/dm と定義される吸収線量に等しい。なお、物質が感想空気である場合、光子の照射により発生した電子が完全に停止するまでに生じたイオン対の正負いずれかの全電荷の絶対値を dq とすると X1 = dq/dm は照射線量と呼ばれ、その単位は C/Kg である。下図の、f1、f2、f3、 はそれぞれ質量エネルギー転移係数、質量エネルギー吸収係数、W値

次に直接電離放射線として電荷粒子を考える。荷電粒子が質量 dm の物質に単位面積当たり平均 φ2 個入射した際、軌道電子との相互作用により失うエネルギーを dEe1 とすると、C2 = dEe1/dm をシーマと呼ぶ。このとき C2 = f4 × φ2 の関係があり、ここで f4 は質量衝突阻止能である。また C2 は電子平衡のもとでは、D2 の吸収線量 にほぼ等しい。物質中に荷電粒子の場を乱さないようにガスで満たされた微小体積を導入した場合を考える。物質中及びガス中の吸収線量の比は上記によりされぞれの質量衝突阻止能の比にほぼ等しくなる。この関係は空洞電離と呼ばれ物質への吸収線量の評価に用いられる。

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第1種放射線取扱主任者まとめ集

相同組換え修復・非相同末端結合

相同組換え修復

相同組換え修復においては、その修復に、切断を受ける前に S 期で合成された姉妹染色分体の対応部位と相互に乗り換えることにより、正常な遺伝情報を鋳型として修復を行う。 この修復機構では、あたかも 2 組の 1 本鎖切断を修復することになるため、修復に間違いが起こることが少ない。修復には、切断端を DNA 組換えが可能なように整形するための DNA 消化酵素(ヌクレアーゼ)や、DNA のらせん構造を解くヘリカーゼといった酵素のほか、Rad52 などのタンパク質が必要とされる。

非相同末端結合

非相同末端結合は、切断部位をそのまま単純に再結合する修復機構で、DNA 依存性プロテインキナーゼ触媒サブユニット(DNA-Pkcs)や、Ku80、Ku70、XRCC4などのタンパク質が DNA の切断端に集まり修復に関与する。 理論的には非相同末端結合修復はいずれの細胞周期でも発現するが、G1 期や G0 期に活発に行われる。線維芽細胞では非相同末端結合修復をすると、細胞は損傷から回復することができず、 細胞生存率曲線は肩が小さくなり、より直線的に生存率が減少する。また正常線維芽細胞はよく増殖するため 5 Gy 程度で増殖死を起こす。

ヒトやマウスの細胞において、DNA2本鎖切断は主として、非相同末端結合と相同組換えの二つの機構で修復される。一般に、非相同末端結合は相同組換えに比べて誤りを起こしやすいと考えられている。 相同組換えによるDNA2本鎖切断の修復は鋳型として、姉妹染色分体を必要とするため、細胞周期のS期の後半からG2期に限定される。 この期間では、その他の期間と比べ放射線致死感受性は低い。またこの期間において非相同末端結合によるDNA2本鎖切断の修復機構は機能する。 非相同末端結合に関わるDNA依存性プロテインキナーゼ触媒サブユニット(DNA-PKcs)の遺伝子に変異を有する scid(スキッド)マウスは、放射線致死高感受性の他に免疫不全を呈する。 近年、ヒトでも DNA-PKcs の遺伝子に変異を有する患者が報告され免疫不全が認められている。

 

DNA損傷

放射線により細胞には様々なタイプのDNA損傷が生じる。代表的なものとして、DNAで構成するチミンにヒドロキシラジカル(OH*)が付加されることで生じるチミングリコールなどの塩基損傷やDNA糖鎖の損傷によるDNA鎖切断がある。 塩基損傷の修復には塩基損傷の部位だけを切り出して正しい塩基を挿入する塩基除去修復と塩基損傷の周辺の塩基を含めた広い範囲を取り去り 修復を行うヌクレオチド除去修復がある。また、DNA鎖切断の一つであるDNA2本鎖切断の修復には非相同末端結合と相同組換えが関与する。この二つの修復には細胞周期に関連した 特徴があり、G1期の細胞では非相同末端結合による修復が主体となり、S期後半の細胞では相同組換えによるDNA2本鎖切断が効率的に修復される。

放射線により細胞に生じたDNA損傷が正確に修復されないと細胞に突然変異が生じる可能性があり、がんや遺伝性影響リスクが増加すると考えられている。がんについては、放射線により白血病の発生リスクが増加することがよく知られている。原爆被爆者のこれまでの疫学調査の結果から、放射線による 白血病の過剰発生は被爆後約2年の潜伏期を経て、被爆後約7年前後にピークとなり、その後減少するという推移をたどる。この白血病の線量反応は、被ばく線量が2 Gy 以下では直線ー2次曲線 モデルに従う。また被ばく時年齢については、1 Gy 被ばくの場合の白血病死亡の過剰絶対リスクは10歳での被ばくは、30歳での被ばくと比較して高い。また病型別でみると、急骨髄性白血病発生の相対リスクは増加するか、慢性リンパ性白血病 のそれは有意な増加認められていないことが分かっている。また有意な増加が認められているのは、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病である。

生殖細胞の放射線被ばくにより子孫に現れる影響を遺伝性影響という。低LET放射線に関するマウスを用いた Rusell らの特定座位法による検討では、精原細胞の突然変異率は線量の増加とともに直線的に増加する。一方、同一線量で比較すると約 900 mGy/min の高線量率で 照射した場合は線量率が約 100分の1 である約 8mGy/min の場合と比べて突然変異率は高いことが分かっている。また、線量率が約 8mGy/min の場合と0.007 ~ 0.05 mGy/min の場合と比較すると、前者による突然変異率は後者と比べてほぼ等しい ことが示されている。放射線による生殖細胞の突然変異誘発率に関しては、生殖細胞の発育段階により差があり、精子は精原細胞より誘発率が高い。この要因の一つとして精子が精原細胞に比べて放射線による細胞致死感受性が低いことがあげられる。 放射線被ばくによる遺伝的影響うを評価する方法の一つに倍加線量法がある。倍加線量法では、自然発生する突然変異率と同率の突然変異を誘発する吸収線量を用いる。つまり、この吸収線量 が大きいほど子孫への影響は起こりにくいこととなる。

またこの他に放射線におけるDNA損傷には鎖切断・水素結合開裂・塩基損傷がある。

① 鎖切断:ポリヌクレオチド中のヌクレオチド間の結合切断による損傷

② 水素結合開裂:塩基間の水素結合のヌクレオチド間の結合切断による損傷

③ 塩基損傷:ヌクレオチドと塩基間の結合の切断や塩基への損傷

ヌクレオチドとはヌクレオシドにリン酸が結合した物質である。

細胞の放射線致死感受性は、細胞が細胞周期のどの時期にあたるかのよって異なる。一般に細胞周期の G2 期から M 期にかけて放射線感受性は最も高く、 S 期後半で放射線感受性は最も低い。この細胞周期依存的な放射線感受性の違いは、放射線致死感受性を決定する最も重要な DNA 損傷である DNA 2 本鎖切断の修復能の違いによると考えられている。 DNA 2 本鎖切断は、非相同末端結合と相同組換え修復の主な2つの方法により修復されるが、相同組換え修復はより正確で間違えが少ない。 S 期後半では、 DNA 2 本鎖切断 が相同組換え修復により修復されるため放射線感受性が低いとされている。

 

補足

相同組換え修復は S 期後半から G2 期に誘導される DNA 2 本鎖切断の修復過程である。この修復では欠損した遺伝情報を相同な DNA と組換えて修復するため誤りが少ない修復機構となる。S 期後半には相同な 2 本 の DNA は合成されたばかりであり、両者の距離は近い。したがって、組換えも容易であり、修復の効率が良いことから、感受性は低くなる。一方、非相同末端結合は G1 期に 誘導される2本鎖切断の修復過程であり、組換えるべき相同な DNA は存在しないので、切断端を単に結合する修復過程をとることとなり、誤りがちな修復となる。

 

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同位体効果・同位体交換。その他放射化学に関する用語

核反応断面積

核反応を起こす確率うをいい、一般的には σ で表す。断面積の単位にb(バーン)を用いる。

1 b = 10^(-24) cm^2 = 10^(-28) m^2

G値

100 eV のエネルギー吸収によって化学変化した分子又は原子数をこの反応の G 値と呼ぶ。

同位体効果

化学的に同じ元素である同位体はトレーサとして使用すると同じ化学行動をするが、低原子番号の 1H と 3H では質量差が大きく化学反応速度や化学平衡に差を生じる。これを同位体効果といい、低原子番号の元素で問題となる。

同位体交換反応

放射性ヨウ化エチル(C2H5(131I))と非放射性ヨウ化ナトリウム(NaI)溶液を振り混ぜると放射性ヨウ素が一部ヨウ化ナトリウムに映る。これは放射性ヨウ素と非放射性ヨウ素が交換された反応で、この反応を同位体交換反応という。

熱中性子

常温で 0.025 eV 、平均速度 2.2 × 10^3 m/s 程度の遅い速度の中性子をいう。この中性子は周囲の媒質と熱平衡か又はそれに近い状態にある。核反応も起こしやすく(n,γ)反応で捕獲されやすい。

比放射能

ある元素、化合物の単位質量(g)又は体積(cm^3)当たりの放射能。
① 生成ターゲットと生成核の原子番号が異なる場合・・・比放射能は高くなる。
② 生成するターゲットと生成核の原子番号が同じな場合・・・比放射能は低くなる。

ラジオコロイド

直径が 10^(-7) から 10^(-5) (1 ~ 100 nm) 程度の粒子が分散している溶液をコロイド溶液といい、その粒子をコロイド粒子と呼ぶ。さらに非常に低濃度で生成する放射性のコロイド状物質をラジオコロイド(RC)という。ラジオコロイドの特徴として、 ラジオコロイドは、水酸化物の生成する中性からアルカリ性で生成しやすい。またラジオコロイドが生成し放置している間に静かに沈降する。RIの希釈溶液では、よく見られるので、長時間保存していた希釈溶液の仕様にあたっては注意を要する。 少量の酸をラジオコロイド溶液に加えてイオン溶液に変え、適切な錯化剤を加えてアルカリ溶液を滴下して pH を上げると錯形成し均一溶液となる。

放射化学的純度

特定の化学形の放射能が、全放射能に対して占める割合。比放射能測定から放射性化合物の質量を定量する方法を同位体希釈分析法ともよび次式で求める。

放射化学的純度 = (特定の化学形の放射能/全放射能) × 100

 

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線減弱係数・エネルギー転移係数・エネルギー吸収係数

線減弱係数

光子が物質を通過する時、物質との相互作用により減弱される。その減弱の割合をいう。この線減弱係数を密度で割ったものを質量減弱係数という。

エネルギー転移係数 μ1

光電効果、コンプトン効果、電子対生成などにより、荷電粒子に与えられるエネルギーの割合。

こうしによる物質へのエネルギー付与やその結果生じる効果などエネルギー伝達を扱う場合にはエネルギー転移係数μ1、エネルギー吸収係数μ2で考える。ここで光電効果の原子断面積σa、コンプトン効果の原子断面積σb、 電子対生成の原子断面積σc、特性X線として持ち去られる平均エネルギーをδとし、コンプトン効果において放出される二次電子の平均エネルギーをE^、電子の静止質量をm0c^2とすると、
μ1 = [(1-(δ/Eγ))σa + (E^/Eγ)σb + (1-((2m0c^2)/Eγ)σc]N で表すことができる。

エネルギー吸収係数 μ2

エネルギー転移係数から制動放射で逃げる割合Gを差し引いた値

線減弱係数 > エネルギー転移係数 > エネルギー吸収係数

二次電子の運動エネルギーのうち制動放射線として失われるエネルギーの割合をgとするとき μ2 = μ1(1 – g) で表される。

質量減弱係数と質量エネルギー吸収係数

異なる物質I及び物質Ⅱに対する質量減弱係数(μ/ρ)及び質量エネルギー吸収係数(μen/ρ)の図である。物質Iで約 2 keV、物質Ⅱで約 90 keV に見られる不連続はともにK吸収端であり、物質Ⅱではさらに低エネルギー 領域にL、M吸収端が見られる。原子番号が大きくなると、吸収端のエネルギーは高くなる。エネルギー吸収係数は減弱係数よりも必ず小さいので、図では実線が質量減弱係数、点線が質量エネルギー吸収係数である。 低エネルギー領域では光電効果が優勢なため、両者の差は小さい。

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