解答
まずはこのβ線のフルエンス率を求める。
フルエンス率Φ = (314 × 10^6)/(4π × 10^2) = 2.5 × 10^5 cm^(-2)・s^(-1)
平均質量阻止能2.0 MeV・cm^2/g であるから40秒間の吸収線量は

D = 2.5 × 10^5 × 2.0 × 40 = 2.0 × 10^7 MeV/g

求めるのは吸収線量(mGy)なので 2.0 × 10^7 × 10^6 × 1.6 × 10^(-19) = 3.2 × 10^(-3) Gy したがって 3.2 mGy となる。

カーマ

カーマ(K)は、ある物質の体積要素内で間接電離によって自由になった全荷電粒子の最初の運動エネルギーの和dEをその体積の物質の質量dmで除した商である。E = dE/dm。単位は1Gy = 1J/kg。 また、カーマは光子、中性子など電荷を持たない放射線に対して用いることができる。

吸収線量(D)

質量dmの物質に電離放射線によって付与された平均エネルギーdεとすると、D = dε/dmを吸収線量という。単位はGy = J/kg。吸収線量はすべての放射線に対して用いることができる。

照射線量(X)

dmという質量の空気の容積要素内で光子(X線、γ線)によって発生する全ての電子が空気中で完全に静止するとき、空気中に発生した一方符号のイオンの全電荷の絶対値をdQとするとX = dQ/dmと表せる。また、照射線量は光子が空気と相互作用するときにだけ用いることができる。

制動放射線

速い電子又は荷電粒子が原子核の近傍を通るとき、核の陽電荷によるクーロン力を受けて強く制動されるとき、余るエネルギーが光子の形で放射される。これが制動放射で放射される。この制動放射線は連続 スペクトルのエネルギーをもつ。制動放射線の発生確率は物質の原子番号の2乗に比例し、入射する粒子の質量の2乗に反比例する。

光核反応

10MeV程度の光子が物質の原子核にあたると中性子が放出される場合があり(γ,n)反応ともいう。このような光子による原子核反応を光核反応という。

トムソン散乱

自由電子との干渉性散乱

レイリー散乱

軌道電子との干渉性散乱。光子エネルギーが小さく、原子番号が大きい物質において生じる散乱線は前方に多く散乱される。

線スペクトル

原子が放射または吸収する光などの電磁波を通して見たときに線状にに見えるスペクトル。線スペクトルにはα線、γ線、オージエ電子、特性X線、内部転換電子、光電子がある。

連続スペクトル

ある波長範囲にわたって連続的に分布したスペクトル。分光装置の性能をいくら高めても線スペクトルに分解できないもので、連続スペクトルにはβ-、β+、コンプトン電子や散乱光子、制動放射線、核分裂エネルギー(252Cf などから放出される中性子)、マックス ウェル・ボルツマン分布(0.025 eV のエネルギーを有する熱中性子)に従う連続分布がある。

放射線量と単位

記号 SI単位 その他
量子数 N I  ー
フルエンス Φ m^(-2)  ー
エネルギーフルエンス φ J × m^(-2)  ー
断面積 δ m^2  ー
線減弱係数 μ m^(-1) = 線エネルギー吸収係数
質量エネルギー転移係数 μtr/ρ m^2 × kg^(-1) 光子との相互作用
質量エネルギー吸収係数 μen/ρ m^2 × kg^(-1)  ー
質量阻止能 S/ρ J × m^2 × kg^(-1) 荷電粒子との相互作用
線エネルギー付与 J × m^(-1)  ー
質量減弱係数 μ/ρ m^2 × kg^(-1) 物質には依存しない
カーマ K J × kg^(-1)  ー
照射線量 X C × kg^(-1)  ー
エネルギー付与 εi J 荷電粒子に対して用いる
吸収線量 D J × kg^(-1)  ー
放射能 A Bq  ー

また下記のサイトに私がまとめた資料を示しております。

第1種放射線取扱主任者まとめ集



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