γ線やX線を使用する作業場での外部被ばく線量モニタリングについての記述
Ⅰ
作業場の線量モニタリングに使用される放射線測定器は、固定して使用するエリアモニタと持ち運びが容易なサーベイメータの2種類に大別される。これらの検出器としては、主に、空気電離箱、GM計数管及びNaI(Tl)シンチレーション検出器の3種類が用いられる。 この3種類のうち、空気電離箱では、検出したγ線やX線の数ではなく、γ線やX線で生じる電離電荷を測定して線量を得る。一方、GM計数管では、放電現象に基づいて出力パルスが得られるため電子回路が簡単である反面、不感時間が大きく、 高線量率の場では窒息現象に注意する必要がある。また、NaI(Tl)シンチレーション検出器では、蛍光を光電子増倍管により電気信号に換えて線量を測定するが、プラスチックシンチレーション検出器に比べて、シンチレータの密度や 実行原子番号が大きいため検出効率が高い。しかし、測定範囲の低エネルギー領域ではγ線やX線の相互作用として光電効果の寄与の割合が大きく、空気電離箱に比べてエネルギー依存性が大きくなる。
Ⅱ
外部被ばく線量の個人モニタリングにおいては、人体に装着して一定時間の被ばく線量を評価するため、一般的に小型で積分型の線量計が用いられる。これらの線量計には測定原理の違いにより、以下のように様々な特性がある。蛍光ガラス線量計は、γ線やX線で生じた 蛍光中心に紫外線レーザーをパルス照射することにより、被ばく線量の情報を繰り返し読み取ることができる。この線量計は、熱アニーリングにより情報を消去して、再使用が可能である。 OSL 線量計では、酸化アルミニウムを素子の主材料とし、 可視光を照射して生じる輝尽発光を読み取ることにより線量を測定する。これらの線量計は、従来用いられてきた臭化銀の感光作用を利用したフィルムバッチに比べ、退行現象が極めて起こりにくい。 TLD は、硫酸カルシウム、フッ化リチウム などを素子の主材料とし、素子を加熱することで生じる蛍光を読み取ることにより、線量を測定する線量計である。一方、電子式ポケット線量計は、小型のGM計数管やSi半導体検出器を検出部に用い、上記の線量計と異なり直読式の線量計として便利であるが、定期的に電池を充電・交換することなどが必要となる。
また下記のサイトに私がまとめた資料を示しております。