中性子を発生させる方法

① 9Be(γ , n)8Be という反応で、約 1.7 MeV 以上のγ線があればこの反応を起こせる。
② 9Be(α , n)12C という反応で、5.3 MeV のα線を照射した場合、最大 10 MeV を超える中性子が発生する。
③ 3H(2H , n)4He という反応で、200 keV の2Hビームを照射した場合は、平均約14 MeV の中性子が放出される。この反応は中性子線源、核融合発電にも利用される。
④ 2H(2H , n)3He という反応で、2 MeV の2Hビームを照射した場合は、前方に約 5 MeV の中性子が放出される。

問題 エネルギー計算

235U が熱中性子を吸収して95Sr , 139Xe 及び中性子に分裂する反応において、1.0 g の235U が全て反応を起こすとき、この反応により発生するエネルギー(kWh)はいくらか。
95Sr:157.61 × 10^(-27) kg 139Xe:230.67 × 10^(-27) kg 235U:390.29 × 10^(-27) kg 中性子1個:1.67 × 10^(-27) kg とする。

解答 反応は次のようになる。
235U + n → 236U → 95Sr → 139Xe + 2n
質量差は次のようになる。
235U + n – [95Sr + 139Xe + 2n]
235U – [95Sr + 139Xe + n]
[390.29 – (157.61 + 230.67 + 1.67)] × 10^(-27) = 0.34 × 10^(-27) kg
1つの核分裂によって発生するエネルギーEは
E = mc^2 = 0.34 × 10^(-27) × (3.0 × 10^8)^2 = 3.06 × 10^(-11) J
1 g の 235U に含まれる原子数は(1.0 × 10^(-3))/(390.29 × 10^(-27)) = 2.6 × 10^(21) 個
よって 3.06 × 10^(-11) × 2.6 × 10^(21) = 8.0 × 10^(11) J
ここで 1 kWh = 1.0 × 10^3 × 60 × 60 = 3.6 × 10^6
したがって エネルギー = (8.0 × 10^(11))/(3.6 × 10^6) = 2.2 × 10^4 KWh となる。

問題 反跳エネルギー

電子の静止質量の約10^4倍大きい質量をもつ原子核から1 MeV の光子が放出されるときに、原子核が受ける反跳エネルギーを求めよ。

光子のエネルギーを Eγ、光の速度を C とすると運動量 Pγ は Pγ = Eγ/C となる。また反跳原子核の質量を m とすると Pn = mv となり、運動量保存則より Pγ = Pn となり、Eγ/C = mv  v = Eγ/(mc) よって反跳核の運動エネルギー En = 1/2(mv^2) = 1/2 × m × ((Eγ)^2)/(m^2 × c^2) = ((Eγ)^2)/(2mc^2) ここで m = 10^4 × me であるので、En = Eγ/(2 × 10^4 × mec^2) = 1^2/(2 × 10^4 × 0.51) ≒ 10^(-4) MeV

β線エネルギースペクトルを測定するための条件

① β線が検出器内の有効領域で全エネルギーを失うこと
② β線が検出器の有効領域に達するまでにエネルギーの一部でも失わないこと。
③ 検出器内で得たエネルギーに比例した出力信号を出すこと。

 

また下記のサイトに私がまとめた資料を示しております。

第1種放射線取扱主任者まとめ集

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