熱中性子照射による(n,γ)反応
① アルミニウム箔中に熱中性子を照射した場合の反応 → 27Al(n,γ)28Al となり、半減期 2.24 分の 28Al が生成される。
② 石英中(SiO2)に熱中性子を照射した場合の反応 → 主成分 SiO2 の Si のうち 3.1% が存在する 30Si から 31Si が生成する。よって反応は 30Si(n,γ)31Si となる。31Siの半減期は 2.62 時間
③ 鉄板中に熱中性子を照射した場合の反応 → 含量 5.8% の 54Fe から 55Fe が生成する。反応は 54Fe(n,γ)55Fe となり 55Fe の半減期は 2.73 年。また含量 0.3% の 58Fe から 59Fe が生成する。反応は 58Fe(n,γ)59Fe となり、59Fe の半減期は 45 日
④ 銅板中に熱中性子を照射した場合の反応 → Cu は 63Cu(69.2%) と 65Cu(30.8%) からなり、63Cu(n,γ)64C という反応と、65Cu(n,γ)66Cu という反応になる。64Cu の半減期は 12.7 時間。66Cu の半減期は 5.12 分である。
質量分析法
質量分析法には様々な方法がある。
1 加速器質量分析法(AMS)とは、同重体などの除去した特定の原子のみを直接計測する手法であり、長半減期の測定に用いられる。
2 中性子放射化分析(機器中性子放射化分析、INAA)とは、放射化した試料を非破壊のまま測定する方法で分解能の高い半導体検出器と波高分析器を組み合わせることでγ線を測定し多元素同時分析が可能となる。また、中性子放射化分析法では、核反応によって生成した核種から発生するγ線をGe半導体検出器で多元素同時測定するのが一般的である。
3 荷電粒子放射化分析法とは高エネルギーイオンを照射して生成する放射性核種から放出される放射線を計測して目的元素を定量する。3He を入射とする荷電粒子放射化分析法は、半導体中の微量酸素の定量分析に有効である。16O(3He,p)18F の核反応で生成した 18F の放射線を測定することにより半導体中の微量酸素を定量する。
4 PIXE法(荷電粒子励起X線)とは試料にイオンビームを照射して、その際に発生する特性X線を検出して、そのエネルギーと強度から元素を同定・定量する方法である。
5 ラザフォード散乱分析とは、固体試料に水素やヘリウムのビームを照射し、後方に散乱されてくるイオンのエネルギー及び強度を測定して定量する。
6 陽電子消滅法とは材料中に陽電子ビームを打ち込み、電子と衝突して消滅するまでの時間を測定する。大きい空孔ほど消滅するまでの時間が長くなることからそのサイズがわかる。
7 フィッショントラック法(核分裂飛跳法)は、年代測定の1つである 238U の自発核分裂で生じた飛跡を試薬により溶解・拡大させて観察し、飛跡の密度から岩石の年代を測定する。
8 即発γ線分析法とは熱外中性子ビームを試料に照射し、共鳴吸収後に照射される即発γ線を測定することにより非破壊多元素(同位体)分析をする方法。
9 熱中性子を試料に照射し、中性子の透過率を測定することにより、試料中の水分の分布が観測される。
10 中性子回折法とは物質内部の結晶配列や磁気構造の情報を得られる。軽元素と重元素が混合して含まれる物質の軽元素の位置や存在比を決定できる。
11 放射化学的中性子放射化分析(RNAA)とは、放射化した試料を放射科学的に分離・精製したのち測定する方法で、極低濃度の元素の分析や測定ピークに妨害となる核種が含まれている場合、検出感度及び分析値の確率が高い。
また下記のサイトに私がまとめた資料を示しております。