熱中性子の測定
熱中性子の(n,α)反応に対応した検出器にはBF3計数管と6Li(Eu)シンチレーション検出器がある。また(n,p)反応に対して計数ガスとして 3He を充填した 3He比例計数管がある。これらの検出器はポリエチレンなどの水素密度の高い減速材と組み合わせることにより速中性子 に対しても感度のある検出器を作ることができる。熱中性子による核分裂反応を用いた検出器には核分裂電離箱などがあり、約 160 MeV の極めて大きなエネルギーが付与された核分裂片を測定している。(n,γ)反応による熱中性子の測定には Au の放射化を利用する方法がある。この反応で生成される核種 198Au はβ壊変するため、その放射能を測定することにより熱中性子の絶対値を決定する ことができる。中性子の検出に BF3比例計数管がしばしば用いられる。これはフッ化ホウ素ガスを比例計数管の計数ガスとして封入したもので 10B(n,α)反応を利用している。この反応の Q 値は正であるので、検出する中性子のエネルギーのしきい値はない。その断面積は非常に大きく中性子のエネルギーを E とすると、断面積は E^(-1/2) に比例するので特に 熱中性子の検出に適している。この 10B(n,α)反応に際して、E と 2.78 MeV を加えたエネルギーが放出されるが、7Li 原子核の中間励起状態を経由して 7Li の基底状態に到達する確率が 93% 程度であり、この際 0.487 MeV のγ線も放出される。熱中性子の検出に際して励起状態を経由する場合、粒子の持つ運動エネルギーは 2.3 MeV となり、これが運動量保存則に従ってα粒子と 7Li核とに分配される。 E が極めて小さい場合α粒子の受け取るエネルギーは 1.46 MeV であり、7Li核の受け取るエネルギーは 0.84 MeV となる。10B(n,α)7Li反応の断面積は非常に大きく、特に熱中性子に対して感度の高い測定ができる。断面積は中性子の速度を v とすると 1/v に比例する。
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